忍者増田でござるよ!! 第17話 『ゲームの教科書』著者と鼎談! 馬場保仁×山本貴光×忍者増田(後編)

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忍者増田でござるよ!!

ゲーム制作者を目指す若者たちの入門書、『ゲームの教科書』はみんなもう読んだ? 前回に引き続き、この本の著者お2人と忍者増田さんによる鼎談をお送りします! 今回は意外とちゃんとしたことを喋っているかも!? プレゼントもあるよ!



 


馬場保仁 プロフィール
1969年生まれ。株式会社セガ 第一CS研究開発部 第二企画セクション プロデューサー。『野球つく』や『サカつく』シリーズの数々のタイトルを世に送り出してきた、「野球つく★番長」の愛称で知られるスポーツ好きな熱いお方。趣味はカレーの食べ歩きと乗馬。乗馬を始めて「癒し」という言葉の意味を知ったらしい(笑)。現在、2009年春発売予定のニンテンドーDS版『プロ野球チームをつくろう!2』の制作に全力投球。



山本貴光 プロフィール
1971年生まれ。1994年から2004年まで、コーエーにてゲーム制作(企画・プログラム)に従事。携わった主なゲームは、『提督の決断IV』(Windows)、『三國志VII』(PS2)、『That’s QT』(PS)、『戦国無双』(PS2)ほか多数。現在はフリーのゲーム作家、物書き。主な著書に、『デバッグではじめるCプログラミング』(翔泳社)、『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』(吉川浩満と共著、朝日出版社)、『問題がモンダイなのだ』(吉川浩満と共著、筑摩書房)など多数。カステラと原節子とクレージーキャッツをこよなく愛す。


増田 ところで『ゲームの教科書』を読んで、拙者が一番気になったのは……、「ヴィデオゲーム」ってのは出版元である筑摩書房さんの表記なんですか?

馬場 いいえ、そこは山本のこだわりです(笑)。その質問は非常に多くて、増田さんで7人目くらいです。

山本 数えてるのかよ!

増田 「ヴィデオ」とか「ヴァージョン」とか、「v」で始まる単語は頑なに全部「ヴ」と表記されてるのが気になったのでござるが。

山本 「ヴ」って言うときは、2人ともちゃんと下唇を噛んでくださいよ。ほら、repeat after me、「ヴ」。

増田 ブ、ブ、ヴ、あ、言えた。いや、拙者が言いたいのはそこじゃなくて……。

山本 だって『夢幻戦士ヴァリス』が『夢幻戦士バリス』だったり、『ヴァルキリープロファイル』が『バルキリープロファイル』だったらバッタモノみたいじゃないですか。それにほら、ルイ・ヴィトンがルイ・ビトンだったり、ヴィム・ヴェンダース(編集部注:この場合はvじゃなくてw)がビム・ベンダースだったりすると……。

馬場 ちっとも理由になってないよ!

増田 そ、そうでござる(編集部注:なんか騙されそうになっていたらしい)。それを言ったら『ゼビウス(XEVIOUS)』とか『バルガス(VALGUS)』はどうなるんですか。

山本 『ゼビウス』はゼビ語だからいいんですよ。『バルガス』もたぶんスペイン語風にvとbを区別してないんですよ。

増田 ほほー。なるほどなー。

馬場 増田さん、微妙に術中にはまってますよ(笑)。

山本 ちなみにラテン語の場合はvでも発音はuなので気をつけて下さいね。

増田 いつどうやって気をつければいいのか……。それにしても、なにやら言葉に対する一方ならぬこだわりが窺えますなぁ。

馬場 vとbの区別はともかくとして、実際プランナーって言葉が最大の武器ですからねぇ、こだわりがないのは、逆に問題がありますよ。

増田 拙者もそろそろ、ちょっとだけマジメな感想を言うと、こういう『ゲームの教科書』のような本って、意外といままでなかったじゃないですか。だから、読んでいてとても新鮮でした。拙者がいま学生だったり、逆にこういう本が学生時代に発売されたりしていたら、読んでゲーム制作者を目指していたかもなと。

馬場 そうなんです。ゲームを作る仕事に就きたいなぁと思った時に、「これを読んどけ」みたいな本がないから、「俺たちで書こうぜ」という発想で我々も作ったんです。

増田 カッコいいっスねー。「ないから作っちゃおうぜ!」と。

山本 ゲームもそうだけど、やっぱり自分が欲しいけどまだそういうものがないっていうのは、ものを作る時の原動力としては大きいですよね。

馬場 若者たちが「ゲーム制作者を目指したい!」と思った時に、我々が実際どういうことをしているのか分からない部分がある。そんな時、本書を読んで、例えば「いまはプログラム書けないけど、会社入ってから覚えられるパターンもあるんだ」とかそういう部分が分かってもらえれば。本当はゲームを作ってみたいけど、仕事内容の詳細がイマイチ分からないばかりに諦めちゃっている希望者に、ある意味「現実はこんなもんだよ」というのを見せることで、「これなら僕にでもできる!」という気持ちを持ってほしいんですよね。

山本 そういうきっかけにしてもらえれば本望ですね。ゲームをもっともっと面白くしていくためには、多様な発想の人たちがゲーム作りに参加することが不可欠だからね。それと、日本にはまだまだこういう情報や書物ってあまりないんです。だから、本書をお読みになった業界の方が「あのことが書いてないぞ」と思ったら、ぜひそういう本を書いてほしいと思ったりもしています。

増田 ふむふむ。なるほどー。なんかお2人がカッコよく見えてきたのが悔しいので、ちょっと話題を変えます。この本の中では、プロデューサー、ディレクター、プランナー、テスターなど、ゲーム制作のいろんなポジションが分かりやすく紹介されていますが、拙者だったらちなみに、どれに向いてますかね?

馬場 また唐突な。うーん、難しい質問だなあ。プロデューサーやディレクターは、増田さんみたいに「意外と」気を使う人は向いてないかもですね(笑)。そもそも増田さん、ゲーム作りたいとか思ってないでしょうに。

山本 ちゃぶ台返した(笑)。

増田 まあ、いまはさすがに思ってないですね。学生の頃は思ってましたけど。『こんにちはマイコン』(編集部注:当時のパソコン少年のバイブルだった、漫画で覚えるパソコン入門書。著者は『ゲームセンターあらし』のすがやみつる)とか読んでて、これでもプログラマーになるのが夢でしたよ。

馬場 ほー。なんで諦めたんですか?

増田 BASICはある程度までやったんですよ。テキストアドベンチャーゲームとか作れるまではいったんですけどね。でも、マシン語とかも難しいし、そのあたりでプログラムを覚えるのは挫折しました。いまとなればね、ゲーム制作はプログラムだけじゃなく企画の仕事もあるとか分かりますけど……ってなんで拙者が逆取材されてるでござるか。

馬場 まぁ、たまにはこういうのもいいじゃないですか(笑)。

山本 本書に対する、辛口のご意見はないですか?

増田 馬場さんも言ってたけど、もう少しイラストや図が欲しいなと思いましたね。

馬場 僕本当は最初、「挿し絵」を描いてたんですよ。でも、単純に入らなくて削ることになった。入門書という意味で、もう少し挿し絵とか囲みとかも入れて、馬鹿っぽくしたかったんです。だってね、最初書いたモノが400ページ分あったんですよ。それを200ページ弱に収めなきゃいけなかったんだから(笑)。

増田 400ページを半分以下に!? なんちゅう無茶な作業ですかそれは! そりゃー絵なんか入れられない(笑)。

山本 書きたいこととか書かなければならんと思うことが山ほどあって、馬場には「××枚くらいにまとめてねー」と言いながら、自分はその何倍も書いちゃったんですよ。あとから削りに削ってようやくああいう形になりました。

馬場 というわけで、ゲーム画面や挿し絵を入れる余地がなくなったわけです。

増田 じゃあ、本書で泣く泣くボツになった、馬場画伯の貴重な「挿し絵」をここでプレゼントするということで。

馬場 ダメダメ! 一品モノかもしれないけど、誰も喜ばないって。普通に本書をプレゼントすればいいじゃないですか。

増田 ちぇ。固いこと言うなあ。でもそのうち、「『ゲームの教科書』を読んでゲーム制作者になりました!」という人と、お2人がこの業界で会えると素敵でござるな。

山本 この本に示したのは、とりあえずのマップのようなものだから、読んでくださる人は、ぜひ自分なりにこのマップにどんどん書き込みをしてカスタマイズしてくださったらと思います。この本でできなかったあれこれについては、また別の機会に形にしたいと思います。

馬場 ほんと、入門書であることが第一義です。とにかくこれを読んで、「僕でも私でもできる」と思って頂きたいですね。実際できますよ。情熱さえあれば。そして、この業界に入って微妙に自分のやりたいことを見失っていたり、仕事に自信をなくしている人へのメッセージもたくさん入っていると思います。なんにせよ、この業界をみんなで「一緒に」盛り上げていくためにも、夢と希望を持つために各自が方法論を持ちましょう! ということかもしれません。みんなで一緒に頑張りましょう!

増田 なんかまたカッコよく締められちゃててナンだなぁ……。あ! 拙者もそのうち『ゲームライターの教科書』とか出したいでござるなぁ。

馬場 パクリかよ!(笑)

山本 紛らわしいタイトルはやめて下さい(笑)。

馬場 出すなら『忍者ライターへの道』とかでしょうかね。ニーズは、分からないけど(笑)。



●『ゲームの教科書』を2名の読者にプレゼント!

馬場氏と山本氏が書き下ろした『ゲームの教科書』を、筑摩書房から2名の読者にプレゼント! ほしい人はこちらのメールフォームから、住所、本名、当コラムの感想・ご意見などを書いて応募して下さい。当選発表は発送をもってかえさせて頂きます(編集部注:プレゼントで応募して頂いた個人情報は厳重に管理し、他目的での使用はせずにプレゼント発送後全て破棄いたします。応募の締め切りは2009年3月20日。←少し締め切り延ばしました!)。

100e382b2e383bce383a0e381aee69599e7a791e69bb8-002 ゲームの教科書(ちくまプリマー新書)
著者:馬場保仁/山本貴光
出版社: 筑摩書房
定価:本体価格780円+税
 
 
 
 

【プロフィール】
忍者増田
100e3838be383b3e3839ee382b9 ログイン編集部、週刊ファミ通編集部を経て、現在はフリーライター。自分のことを忍者だと信じ込んでいるかわいそうな人だが、第1回忍者検定では6位にランクインした。鹿島アントラーズが大好きで、毎年かなりの試合数を生観戦している。双葉社刊『オンラインゲーム すごい攻略やってます。』で“アナゲー研究所”なるコーナーを連載中。彼への応援メッセージ、その他はこちらのメールフォームから。





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PC、ゲーム、スマホ、ガジェット、ロック、ギターなどをこよなく愛するおじさん。座右の銘は「下手な鉄砲数打ちゃ当たる!」。嫌いな言葉は「え?また買ったの?」。