忍者増田でござるよ!! 第16話 『ゲームの教科書』著者と鼎談! 馬場保仁×山本貴光×忍者増田(前編)

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忍者増田でござるよ!!

昨年末、『ゲームの教科書』という、ゲーム制作者を目指す若者たちの入門書とでもいうべき本が発売されました。今回は、この本の著者のお2人を呼んで、色々と話をしてみたようです。お2人とも意外とおふざけ好きだし、当コーナーで紹介するからには、身のある話が出るかどうかは怪しいところ。覚悟して読むべし! あとプレゼントもあるよ!



 


馬場保仁 プロフィール
1969年生まれ。株式会社セガ 第一CS研究開発部 第二企画セクション プロデューサー。『野球つく』や『サカつく』シリーズの数々のタイトルを世に送り出してきた、「野球つく★番長」の愛称で知られるスポーツ好きな熱いお方。趣味はカレーの食べ歩きと乗馬。乗馬を始めて「癒し」という言葉の意味を知ったらしい(笑)。現在、2009年春発売予定のニンテンドーDS版『プロ野球チームをつくろう!2』の制作に全力投球。



山本貴光 プロフィール
1971年生まれ。1994年から2004年まで、コーエーにてゲーム制作(企画・プログラム)に従事。携わった主なゲームは、『提督の決断IV』(Windows)、『三國志VII』(PS2)、『That’s QT』(PS)、『戦国無双』(PS2)ほか多数。現在はフリーのゲーム作家、物書き。主な著書に、『デバッグではじめるCプログラミング』(翔泳社)、『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』(吉川浩満と共著、朝日出版社)、『問題がモンダイなのだ』(吉川浩満と共著、筑摩書房)など多数。カステラと原節子とクレージーキャッツをこよなく愛す。


増田 本日は、『ゲームの教科書』の著者お2人を迎えて色々駄弁ろうと思います。馬場さん、御無沙汰してます! 山本さんは、初めましてですね。お2人は、大学の時のお友達なんですよね。

山本 増田さん、初めまして。いやぁ、まさか忍者増田さんにお目にかかれる日が来るなんて思ってもいませんでした。

馬場 山本も古くからの『ログイン』読者なんですよ(編集部注:ログインとは、「面白ければそれでいいじゃん」というコンセプトの元に作られていた、おバカ企画の満載さがウリのPCゲーム誌。1982年創刊。2008年休刊。増田氏は14年前、ログイン編集者だった)。

増田 おー、それはありがとうございます!

山本 誌面に登場する増田さんの姿を見てほのかに憧れを抱いていました。

増田 いやいや、やめてください! そ、そんな大層な……!(マジ照れ)

山本 でも、「雑誌編集者って原稿のことをするだけじゃなくて、コスプレとか、編集と関係ない一芸もないと駄目なのかー。自分にはとても無理だなァ」と出版関係のお仕事は断念したことがあります。

増田 山本さん、それ微妙に落としてません? 照れて損した!

馬場 思い切って断念し過ぎだろ! おまけに、サンプルが増田さんかよ(笑)。

増田 ログインも拙者も、出版関係の仕事のサンプルとしては著しく不適切です。普通の編集者は、多分変な格好とかしなくて大丈夫。

馬場 僕らが慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスのことを知ったのも、ログインの記事がきっかけだったんだよね。

山本 うん、ゲーム雑誌で大学の進路を決めたんだよね。って、どんだけお世話になってるんだ(笑)。

増田 いやー、そんな記事ありましたっけ? 全然覚えてないでござるよ。

馬場 2人とも、『ウィザードリィ』大好きですしね(編集部注:増田氏はログインで、1991年から2008年まで「WIZでござるよ」なる『ウィザードリィ』のコーナーを連載)。「ザ・ハイマスターはPC版だとメイジのグラフィックで、油断してると首飛ばされるんだよ」とか、当時は2人でよく『ウィザードリィ』談議をしていましたよ。

山本 ログインでも、まだ『ウィザードリィ』がAppleII用(1981年)しか出てないときに紹介していて、「うわわ、このゲーム、必ずやる!」と思いながら、それはもう隅から隅まで舐めるように読んでました(笑)。

馬場 分かる分かる。

山本 なにせこっちもまだ中学生だったので、さすがにAppleIIまでは手が出せませんでした。後にPC-8801版が出たときは、勉強とか人生で大事なものを色々そっちのけで遊びましたよ(笑)。

馬場 『ウィザードリィ』って呪文とかキーボードからタイピングするんだよね。

山本 そうそう、私がタッチタイプを身につけようと思ったのも、元はといえば『ウィザードリィ』でDIOSとか、TILTOWAITとかの呪文を素早く入力したいからだったのよ(笑)。

増田 動機不純と言うべきか清純と言うべきか……。

馬場 俺なんか“T”リターンだったけど……。

山本 それに、あのゲームのおかげで方眼紙にマップを描くのも上達しましたよ。『ウィザードリィ』さまさまです。

増田 うーむ。お2人ともなかなかのWIZマニアだったのでござるなあ。

馬場 僕は、最初のキャラ作りとかはあんまこだわりがなくて、とっとと始めたいタイプでした。あ、でも、アイテム判別だけは早くしたいから、BISHOPが早くから作れるように考えていたかな……。

山本 僕は、増田さんじゃないですが(笑)「いつか忍者になってやる!」とDAGGER OF THIEVESをずーっと使わずに持っていて、POISON GIANTに不意打ちされて盗まれました(涙)。

増田 あははは。連中はブレスが使えるから、不意打ちされると悲惨なことになるでござるな。……って今日は『ウィザードリィ』談議をする回だっけ?

山本 つい熱くなって、すみません(笑)。

馬場 そうそう、増田さん、『ゲームの教科書』ちゃんと読んでますか?

増田 めちゃめちゃ読んでますって~! ほら、こんなにボロボロになるまで(と言って本を見せる)。

馬場 それは扱いがガサツなだけじゃないかなあ。『野球つく』(DS版)もあれから全然やってないでしょう?

増田 ちょ、ちょっとは遊びましたよー! ちなみに『サカつくDS』はかなーりやってるんですけどね。はは、はははは……。

馬場 もう『2』が出ちゃいますよ。

増田 あ、いま微妙に宣伝したでござるな? (話題をそらすように)では最初に、拙者が『ゲームの教科書』を読んで一番気になったところでござるが……。

馬場 こんな古いゲームばっか例に出すんじゃねーよってところでしょう? それは山本に言ってやって下さい。僕もそう思うんです。

増田 そこじゃないってば(笑)。

山本 本を出しちゃってから言うわけ?(笑)

増田 でも、確かに出てきているゲームが少し古いかもですね。嫌がらせにリストを作ってみました。

nin16_gamelist
山本 増田さん、地味に手間のかかることをしてくださるじゃありませんか。

馬場 増田さんはね、こういうところはすごいんだよ。

増田 忍びたる者、情報収集はバッチリ……って馬場さん、何気に、こういうところ「は」って限定したでござるな?

馬場 こういうところ「も」すごい!(笑)。で、なんでこういう古いラインナップなの?

山本 ちょっとだけマジメなことを言うと……。本当はゲームの歴史を40年分くらいガーっとトレースしながら、具体的なゲームについてもどこがどうすごいのかとかやりたいんだけど、それを始めちゃうと1000ページくらいあっても足りないのですよ。だから今回はゲーム史について書くのは諦めたんだけど、ゲーム業界の黎明期がどんなだったかというところは少し述べておこうと思ったわけです。

増田 ほほう、どうしてそこは書こうと思ったでござるか?

山本 ほら、いまでこそゲーム会社が作るゲームってハードも高性能で手がこんでいるものが多いですよね。これからゲームを作ってみようかという人たちが「ゲーム」って言った時に、そういうものだけを想像しちゃうとちょっと不自由な気がするんですよね。言葉は良くないけれど、最初の頃ってもっとデタラメだったじゃないですか。

馬場 そういえばコーエーさんも昔は……。

山本 アハハハハ、そこはおいといて(笑)(編集部注:プロフィールにもあるように、山本氏は元コーエー所属)。ゲーム会社がまだ「ソフトハウス」と呼ばれていた時代は、傍から見ていても、作り手が自由に楽しみながら作っている感じがあったんですね。なにしろ業界というほどの形もあるようなないような状態だったから、好き勝手に作りたいものを作っていたというか。

馬場 ホイホイ……、オランダ妻……(編集部注:ここで話のつながりが「?」な人は、自分で調べてみよう!)。

増田 馬場さん、まぁまぁ(笑)。山本さん、確かにいまでは想像もつかんでござるな。

山本 そういうところから出発しているんだよ、ということをお伝えしたいと思ってその辺りのことを書いてみたのです。すでにゲームの歴史よりも若い人たちがいたりする時代ですからね。

馬場 それは現場でも感じることがありますよ。

山本 ここだけの話だけど、開発チームで喋っている時に、「『ゼビウス』ってなんですか?」とか、「宮本茂さんって誰ですか?」って、真顔で訊いてくる新人さんが出現した時にはほんとびっくりしましたよ。僕らより10歳くらい下の世代の人たちだったかな。

増田 それはある意味すごい質問ですね(笑)。

山本 まぁ無理もないですよね。だって、1980年代生まれの新人さんなら、ファミコン(1983年)とか『ゼビウス』(1983年)と同じくらいの年だったりするわけですから。

増田 むぅ。確かにそうでござるな。

山本 もっともチームでそれがバレた日は、一日中ずっと「お前らはうちのチームには要らん」とか言われていて、ちょっとだけかわいそうでしたけどね。

増田 「どうせお前らなんか、マリオとルイージの区別もつかないくせに」とか言われたりして。

山本 「フフフ、どうせお前らなんかナッツとミルクの区別もつかないくせに」とかね。

馬場 だから『ナッツ&ミルク』とか古いんだよ!(編集部注:以下しばらく『ナッツ&ミルク』談義が続くので省略)。でも、そういう話が通じないとやりづらい面は確かにあるからね。過去のゲームもある程度は知っていてほしいし、チャンスがあったら遊んでおいてほしい。

山本 うん。あとはやっぱり昔のゲームは、ハードもソフトもシンプルなだけに、ゲームの仕組を考える時にいい教科書になるんだよね。私はいま専門学校でゲーム企画を教えているんだけど、講義でもまずはシンプルなゲームを使ってゲームの構造について学生に考えてもらうようにしています。

増田 なるほど。そういった諸々の理由があって、例に出るゲームがああいう古いラインナップになっているわけでござるな。

馬場 いやあ、ちゃんと理由があってよかった(笑)。「え? なんとなくだけど」とか言われたらどうしてやろうかと思ってたんだよね。

山本 だからそういうことは書いてる時に言ってよ!

増田 あははは。ところで実は拙者が本書で一番気になったのは……(編集部注:続きは2月27日くらいに更新予定の「後編」で。次回はもう少しマジメな話も出るかも!? というか馬場氏と山本氏、『ウィザードリィ』の話をし過ぎ!)



●『ゲームの教科書』を2名の読者にプレゼント!

馬場氏と山本氏が書き下ろした『ゲームの教科書』を、筑摩書房から2名の読者にプレゼント! ほしい人はこちらのメールフォームから、住所、本名、当コラムの感想・ご意見などを書いて応募して下さい。当選発表は発送をもってかえさせて頂きます(編集部注:プレゼントで応募して頂いた個人情報は厳重に管理し、他目的での使用はせずにプレゼント発送後全て破棄いたします。応募の締め切りは2009年3月20日)。

100e382b2e383bce383a0e381aee69599e7a791e69bb8-002 ゲームの教科書(ちくまプリマー新書)
著者:馬場保仁/山本貴光
出版社: 筑摩書房
定価:本体価格780円+税

 
 

【プロフィール】
忍者増田
100e3838be383b3e3839ee382b9 ログイン編集部、週刊ファミ通編集部を経て、現在はフリーライター。自分のことを忍者だと信じ込んでいるかわいそうな人だが、第1回忍者検定では6位にランクインした。鹿島アントラーズが大好きで、毎年かなりの試合数を生観戦している。双葉社刊『オンラインゲーム すごい攻略やってます。』で“アナゲー研究所”なるコーナーを連載中。彼への応援メッセージ、その他はこちらのメールフォームから。







 

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PC、ゲーム、スマホ、ガジェット、ロック、ギターなどをこよなく愛するおじさん。座右の銘は「下手な鉄砲数打ちゃ当たる!」。嫌いな言葉は「え?また買ったの?」。